KichenCabinet 2012.08    
 
家内から注文が来た。
娘の家の台所がどうも賑わっている。もともと整理が苦手な娘なので気にならないらしい。家内が目を付けてしまった。”冷蔵庫と壁の隙間(幅45cm,奥行約60cm,高さ180cm)に 収納棚を入れたら良い。お父さん作って!”
嫌な予感がした。幅が狭くて奥行きが深いので、普通の収納棚だと奥の方が使えない。クレームが来るに決まっている。また、面倒なことに”家具の色は白”ということ。ペンキしかないし、ペンキ塗りは、何回もの塗り重ねが必要で、それでも色ムラむらが発生する。安い木を使うので、節穴も多い。穴をパテで埋める必要がある。
さらに、1×4材を使うとすると、重量が重い。運び込むのにどうするか???
”マアー、やってみるかー” と始めたが、これが大間違い!!! ヤッパ、殺されソー でした。

材料を切り出したところです。
まずは、側板と仕切り板の部分からです。

1×4材が20枚必要でした。
ゾッとする量と重さです。
板矧ぎの様子です。側板の1800mm×600mmという大きさは、想像以上のものがあります。自信のある板剥ぎ行程ですが、大問題が発生!。長い板の場合、反り、曲り及び、板側面の直角度の狂いが、モロに影響して、接着後の板面がデコボコです。表面だけでもスッキリしようと、根気よくサンダーをかけたのですが、全面均一というわけにはいきません。前途多難!!
結局、キャビネットを上下に分けました。
左は、キャビネット上の側板です。

中央にある穴は、うらさんの新工法”板剥ぎによるホゾ穴”です。(オープン棚を参照)

長さはともかく、板の幅60cmというのは、やはり幅が広すぎます。次回は工夫が必要!!!
今回、組み立てたままでは、大きくて、かつ重いので運送できません。
現地組み立て式にしました。
そのため、箱組みはボルト締めとしましたが、ボルトの数が多いので、オニメナッを使うと、財布が心配です。
うらさん得意の”木工ネジ”としました。

★今回はやむを得ず、小口へのタップ切りとなってしまいました。この場合は慎重に、かつ深くタッピングをして、長いボルトを使うことが必要です。また、ボルトを締めるときに、水に濡らしておくと、締りが良くなります。決して、締めすぎないこと。ボルトを締めるのではなく、押し込む要領で扱えば、結構使えます。

次は、扉の作成です。
扉は面倒ですがいたし方ありません。

前回、スライド丸鋸のテーブル角度の精度に頼って45度カットをした結果、不完全に終わったので、今回は、留切り治具を使いました。治具をスライド丸鋸テーブルに固定しておき、順次カットしていく工法です。この場合は4枚の板材の長さを精度良く揃えておくことが必至です。
2番目の板の加工です。
組み立てです。
完成しました。

結構ピッタリと出来ました。



仮組完了です。

上下の2キャビネットを重ねています。


奥行き60cmの棚は、使いにくいです。

結局、スライドレールをプレゼントしました。
左図は、すべての棚を引き出したところです。これで、クレームもないでしょう!!!

娘の家のkichennにセットしたところです。

中央には、トースターが収まりました。
引出式の棚としたので、使い勝手は極めて上等です!!!。

ご苦労様でした!


★白色のペンキ塗り行程説明は飛ばしました。
これは、まさに地獄の苦しみです。
タレを防止するために。板材状態で塗ります。また、色むらを防止するために、3倍程度に薄めたペンキを、3〜5回ほど、重ね塗り仕上げです。
もうやりたくありません。